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11
2025
24
第四話 地域との繋がり

— ふじみ野という街と、共に育った26年 —**
ふじみ野という街で店を始めて、
気づけばもう26年という月日が流れました。
26年といえば、
赤ちゃんだった子が大人になり、
子どもを連れて来てくれるようになるほどの時間です。
この街で店を続けてこられたのは、
決して私ひとりの力ではありません。
ふじみ野という街と、そこで暮らす人たちに育ててもらった
この気持ちが、今の私の原点にあります。
■ “お店”ではなく、“街の記憶”の一部になりたかった
Jam3281を始めた当初、
「街の人が自慢できるお店にしたい」
そんな話を第1話で書きました。
でも26年たった今、思うことがあります。
店は、街の風景の一部になってこそ意味がある。
ふじみ野の中で、
日常の中で何気なく目に入り、
「あそこに行けば、あの味がある」
「あのお店がある街で育った」
そんな存在になれたら最高だなと。
実際、店の歴史は
ふじみ野の歴史と重なりながら育っていきました。
■ 子ども時代に来ていたお客様が、大人になって戻ってくる
何度も胸が熱くなった瞬間があります。
小学生の頃に家族と来ていた子が、高校生になり、
「久しぶりにどうしても食べたくて」と友だちを連れてきてくれる。
大学生になったお客様が、
県外から帰省すると、
「まずここに来たかった」と言ってくれる。
結婚し、子どもが生まれ、
今度は家族を連れて来てくれる。
そして少し照れくさそうに、
「僕、小さい頃によく来ていたんです。
その時と同じ味で安心しました。」
そんな言葉を聞くたびに、
胸の奥がじんわりと温かくなります。
■ 客席で生まれる“家族時間”の風景が好きだった
Jam3281の客席からはいろんな物語が見えます。
・子どもがカレーを食べて「おいしい!」と笑う瞬間
・夫婦がいつもよりゆっくり話せている時間
・おじいちゃんが孫に「ここのカレーはな…」と語る姿
・友だち同士が笑いながら皿を分け合う姿
そんな風景を見ていると、
「この店はカレーを売ってるだけじゃないんだ」
と強く感じます。
提供しているのは、
“家族の時間”そのもの
なのかもしれません。
■ 店を続けられたのは、街の人の言葉があったから
26年の間には、
経営が厳しい時代も、
心が折れそうな時期もありました。
そんな時、救ってくれたのは
お客様の何気ないひと言でした。
「いつまでも続けてね」
「ここのカレーは、私のごほうびなんです」
「仕事で辛い時も、ここの味で元気になれた」
「子どもが初めて完食したカレーがここだったんです」
一度なんて、閉店間際に
お父さんが子どもを抱えて走ってきて、
「間に合った!今日はここじゃないとダメなんです!」
と言ってくださったこともありました。
その言葉が、疲れを全部吹き飛ばしてくれたんです。
■ 家族の言葉が、私を支え続けてくれた
そして何より、
私の心を支え続けてくれたのは 家族の存在 でした。
特に忘れられないのが、
娘が幼い頃にくれた
「パパのカレーは世界一」
というあの言葉。
家族で店に訪れた友達が
夢中になって食べてくれているのを見て、
娘が誇らしげにそう言ってくれました。
その瞬間、
どんな困難があっても続けていこう、
もっと人を喜ばせるお店になろう、
そう心に決めました。
あの言葉は今でも私の背中を押し続けています。
■ Jam3281は、ふじみ野と共に育った店
26年の間に、
街の風景は変わり、
人の暮らしも変わり、
店の周りも随分と姿を変えてきました。
でも変わらないものがあります。
この街で、
カレーを通して“人の幸せな時間”をつくりたいという気持ち。
そして、
街の人が温かい気持ちで受け入れてくれる優しさ。
Jam3281は、
ふじみ野という街と共に育ててもらった店です。
これからもこの街と一緒に歩んでいく。
そんな決意を、改めて噛みしめています。
■ 次回のお話
カレーは、人をつなぎ、人を動かす料理。
その力を使って、次はどんな未来をつくっていくのか。
店として、人として、
Jam3281がこれから歩んでいきたい未来についてお話しします。
最終話
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