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2025

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第一章 幼少期

僕が生まれたのは、1971年。
場所は東京の高田馬場。
家族は、会社員の父、専業主婦の母、祖母、そして2歳上の兄。

ごく普通の、にぎやかな5人家族でした。

そんな僕の幼少期、一番インパクトがあった出来事といえば…
小学校2年のときに、家が全焼したこと。

ある朝、お腹の調子が悪くてトイレにこもっていた僕。
遅刻ギリギリで学校に向かって走っていたら、
「火事だー!」って声が聞こえた。

振り返ると、煙がもくもく。

「うちの近くで火事か。帰りに見に行こう」

なんてのんきに思いながら、学校に着いたんです。

でもね、実はそれ、うちの火事だったんです。

のちに聞いた話では、僕はギリギリのところで逃げられたらしい。

両親は「もう学校に行っただろう」と思って避難していたから、

僕がまだ家にいたと知ったときはゾッとしたでしょうね。

原因は、近所の焚き火のもらい火だったそうです。

そこからは、公民館を借りたり、知り合いの倉庫に寝泊まりしたり。

まさに「転々とする生活」が始まりました。
でも不思議とね、誰かを恨むこともなく、心に大きな傷が残ったわけでもなくて。


ただ、「かわいそう」と思われるのがちょっと悔しかった記憶があるんです。

火事のあと、欲しいものをねだるのに罪悪感を覚えるようになって、その代わりに、空を見上げて「なんで雲ってこんな形なんだろう」とか、「人間の内臓って左右非対称なのに、外見は左右対称なのはなんでだろう」とか、小さな疑問で頭をいっぱいにするようになった。


今でも、誰も気にしないようなどうでもいいことを考えるクセ、残ってます(笑)。


火事から数ヶ月後、父の仕事の都合で埼玉へ引っ越しました。

転校って聞いたときは「新しい学校でうまくやれるのか…」って不安でいっぱいだったけど、案外すぐに友だちができて、楽しく通えるようになったんです。

この経験が、自分の中の大きな支えになってる気がします。


「今あるものを全部なくしても、また一から始められる」


「世界のどこに行っても、友達はきっとできる」

…そんな根拠のない自信を、僕はこの頃から持つようになったのかもしれません。


「8〜10歳のネガティブな経験が、その人の才能につながることがある」って、
どこかで聞いたことがあります。

きっと、今の僕の性格や考え方の土台は、この頃にできたんじゃないかな。


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